
ガラスの空に 街が沈む 反射する私 名前を失う 足音がずれて 影が先に笑う 信号は青でも 誰も進まない 壁に貼られた 無数の私 どれが本当か もう分からない ひび割れた鏡が 囁く 「ここは安全よ」と 鏡の中の都で 私は私を 見失う 触れた瞬間に 崩れる景色 真実は 反射しない ショーウィンドウの奥 瞬きをしない人形たち 心の裏側を 売り物にして 今日も夜が 延長される 裏返る拍子 歪む時間 叫びはノイズに 溶けていく 砕けたガラスの 向こう側 本当の声が 息をする 鏡の中の都で 偽物が 歌い出す 壊すことでしか 触れられない そんな真実が あるなら 鏡の中の都を 今 踏み越えてゆく 反射を捨てた その先で 私は 私になる ガラスが砕け 朝が 初めて鳴る

