夕暮れのホームに 風がひとつ 通り過ぎた 誰もいない隣を見て なぜか少し 笑った 帰り道の交差点 赤い信号 長い影 いつもの店の明かりから 知らない歌が流れてる 君ならきっと笑うかな そんなことを考えて 言いかけた言葉だけが 夏の空へ 消えていく 会えない日が増えても 声を忘れそうになっても 何気ない景色の中 君を見つけてしまう どこにいても 君がいるような気がして 何も言わずに また笑ってしまう 遠くても 会えなくても この世界の片隅で 今日も僕は 君と歩いてる いつも君と 開けたままの窓から カーテンが揺れている テーブルの冷めたコーヒー 時計は九時を過ぎていた イヤホンからこぼれた あの日と同じメロディー 忘れていたはずなのに 口ずさめるのが おかしくて 季節はいくつ過ぎても 街の色が変わっても 名前もない瞬間ほど 君を近くに感じる どこにいても 君がいるような気がして 振り向くたびに 風だけがそこにいる 遠くても 会えなくても この世界の片隅で 今日も僕は 君と歩いてる いつも君と 忘れないことと 離さないことは きっと 同じじゃない 思い出すたび 少しあたたかくなるなら それだけでいい 隣にいなくても ひとりじゃないような 夜がある 街灯が灯る 電車が遠ざかる 足もとに伸びた影が 二人分みたいに揺れている ただの風だと わかっているのに 僕はまた少し 笑ってしまう どこにいても 君がいるような気がして 何も言わずに また笑ってしまう 遠くても 会えなくても 時間が僕らを変えても この世界の片隅で 今日も僕は 君と歩いてる 明日もきっと どこかで君を思い出す それは悲しいことじゃない 消えないように 抱きしめなくても 残るものがあるから いつも君と—— 夜風がカーテンを揺らす 遠くで電車が走ってる 今日が静かに 終わっていく じゃあね。 また明日。


