
朝霧のすれ違ひ
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朝霧ほのか 石疊の途 下駄の音のみ街を渡る 袴の影にふと目を留め 言葉はけふも胸に沈む 每日同じ刻 同じ橋 名も知らぬまま 戀を知る 帽子のつばに 隱れし瞳 されど確かに 眞實なり すれ違ふだけの戀なれど 心は遠く 呼び合へり 聲に出せずに 祈る朝 この想ひよ 風に舞へ ガス燈ゆらぐ 宵の街 時代は早く流れゆく それでも變はらぬ この鼓動 あなたを追ひて けふも往く すれ違ふだけの 戀なれど 瞼に殘るその姿 明日もまたと願ひつつ 朝の街へと歩み出づ


