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盃に月、満ちる夜

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V6

部屋の明かりを ひとつ落として 硝子戸を開ければ 冷たい秋の風 脱ぎ捨てた上着と テーブルの隅 パックの口を引いて 白磁の器へ   トクトクと 澄んだ音が満ちてゆく カーテンの隙間 真夜中の青 誰のためでもない 時間を始めよう   白磁の底に 満月を沈めて すっと喉を滑る まろやかな夜 ため息ひとつ 秋風にほどけて 手のひらの上で 月が満ちてゆく     少し冷めた 焼き魚の塩気 指先でつまんで もうひとくち含む 画面の通知は 伏せたままにして 遠くの電車の音 静寂に沈んだ   琥珀の露を ゆっくりと揺らして 棘の取れた風が 背中を撫でてく 肩の荷を下ろし コップを置く音 藍色の縁に 月が揺れてる   ……夜は 深くなるほどに 尖った言葉も 柔らかく溶けてゆく   白磁を空にして 見上げる秋の空 すっと澄んだ息が 胸を満たしてく Oh, yeah 急ぐことなんて 何ひとつないから 今夜の私に 月が満ちてゆく   Mmm... Phew...