透明標本みたいな恋だった 触れたままで 壊せなくて 青白い光の向こう側 まだ呼吸だけ残ってる 水槽みたいな夜の中 君の輪郭を眺めてた 名前を呼ぶほど曖昧に 消えていきそうで怖かった 「ねぇ」 ガラス越しに滲む声 触れた温度を覚えてる 透明標本 揺れる光 ガラス越し まだ息をしてる 夜の底で泳ぐみたいに 君を静かに保存してる 壊したくないわけじゃなく 失くし方がわからない 雨粒だけ増えていく 終電後の反射街 君が笑った横顔だけ まだ透明なまま残る 新しい今日を重ねても 景色は少し薄くなる 時間だけが流れるなら どうして夜は止まるんだろう 「ねぇ」 今も見えてしまうんだ 触れた光の残響が 透明標本 揺れる光 ガラス越し まだ息をしてる 夜の底で泳ぐみたいに 君を静かに保存してる 壊したくないわけじゃなく 手放し方がわからない 透明なものほど 綺麗に壊れてしまうね だから触れずに 眺めているだけだった 透明標本 揺れる光 ガラス越し まだ息をしてる 忘れたいわけじゃないのに 君だけ色褪せないまま 夜の底で泳ぐみたいに 今も記憶を反射してる 触れたままで 壊せなくて まだ光だけ残ってる 透明標本