青いホーム 午前五時 眠れないまま 靴紐を結んだ 祭りのあとの風だけが 昨日をまだ 片づけていない 駅前の店は 名前を変えて 私たちの席も もうなくなって それでも君は あの頃みたいに 少し目を細めて笑った 髪が伸びたとか 少し痩せたとか そんな話なら いくらでもできた 知らない季節を 埋めるふりして 聞きたいことだけ 残していた また帰ってきたら 軽く手を振る君に 何度目かの続きみたいに 私も笑ってしまった さよならより先に 始発のベルが鳴って 言えなかった言葉だけ 昨日の町に残ってる 離れてから気づくなんて 遅すぎると分かってる 君の声を胸にしまって 私だけが発車した Ah— 窓を流れる 青い街 Ah— まだあの夏の中にいる 冷えた窓へ 額を寄せれば 眠った家々が 後ろへ消える 見慣れた道も 知らない速さで 思い出になる準備をしてる 連絡先なら 変わっていない 送ろうと思えば 今でも送れる それなのに文字を 打っては消して トンネルの闇に 画面を伏せた 君はこの町で 私は遠い街で 違う朝を選んだこと 今さら痛くなる 忘れたふりをして うまくやれていたのに 名前を呼ばれただけで あの夏まで戻ってしまう 何も伝えずに だから結論もないまま 君のいない日常へ 心だけ乗り遅れてる 不意に光が差して 窓いっぱいに海が来た 青すぎる朝に 息を奪われた 帰りたくないのは 君のそばなのか あの頃の私たちがいた 夏の中なのか 分からないまま ただ 目をそらせなかった Ah— ah— La la, ah— 遠くなる まだ消えない Ah— 朝の海まで言えなかった ずっと君が好きだった そんな言葉は眩しすぎて 唇の奥に沈んでいく 君の町が小さくなる 水平線が光っている 何も始められないまま 身体だけ遠ざかる 忘れられなくていい 答えにできなくていい 次の夏まで消えないように この青さを抱えていく さよならより遠くへ レールの音は続いて 君を置いていくんじゃない あの頃を連れて帰るんだ まだ心は 夏の中 遠く響く 君の 声


