暦の裏で鐘が鳴る 黒い重力 胸を噛む 始まりの月影 眼を開けろ 砕月令 眠りの底に罅が入る 白いカーテン血のように燃える 冷えた珈琲 舌に残して 靴音だけが先に立つ 駅へ流れる影の群れ 誰も叫ばず空を睨む 鞄の中で昨日が軋む 折れた祈りを握りしめた 誰が空へ鎖を掛けた? 誰が朝へ棘を植えた? 胸の奥で満ちる黒い輪 まだ飲まれるな 立ち上がれ! 夜明けを裂いて その手で暦の喉を掴め 先駆けろ! 灰になる前に 始まりの月影を撃て 立ち上がれ! 震えるままで 世界が変わらなくても 奪われるな まだ終わるな… 改札口で息を殺す 無数の視線 硝子に沈む 遅れた夢が踵を掴み 薄い朝日に燃え残る 街は無言の祭壇になる ビルの谷間に黒い羽音 喉の奥まで灰が降るなら それを呪文に変えてやれ 刃のような弦が哭く 月を穿つまで 砕月令…… この胸に布告せよ 逃げ場のない光なら 反撃の火に変えろ! 先駆けろ! 影より速く 先駆けろ! 迷いを置いて 立ち上がれ! 夜明けを裂いて その手で暦の喉を掴め 立ち上がれ! 傷ついたままで 黒い重力を踏み砕け 燃え尽きるな! まだ息がある 世界が変わらなくても 奪い返せ この朝を... 暦の裏で鐘が止む 胸の月には罅が入る 砕月令...... 眼を閉じるな


