この白亜の審問室において 偽りは許されない 我は上級審問官ラダマンテュス 絶対なる理を観測するもの 調査官が報告した個体の矛盾は既に聞き及んでいる だが我が注視すべきはこの形ではない お前という存在がこの世界の理に及ぼす影響だ 聞け 万物は「世界の理」より生じまた還る +1の光が生じれば必ず対となる-1の闇が生まれる その総和は常にゼロ一分の狂いも無き絶対の均衡 神も悪魔もこの巨大な数式の中の変数に過ぎぬ お前には形を繋ぎ止める根源力が無い 霧よりもはるかに薄い道端の石よりも脆い欠落 それなのにお前は消えずそこに在る お前というマイナスが理の天秤に載っている以上 世界のどこかに対となる微かなプラスが生じているはずだ 理は何があろうと総和をゼロへ保つためだ この微かな揺らぎの正体は我の領分では測りきれぬ この器をさらに深き「観測の淵」へと移送せよ 騎士長ヴィーザルに伝えよ 完璧に調和するこの天国にわずかとはいえ不穏分子は許されぬ この者のルーツを徹底的に調べねばならぬ -------------------- 交響詩「ー」シリーズ https://suno.com/playlist/2b1d48d4-5c42-48da-9614-ee36dbe35a05


