わたしは雛鳥 幸せの虚像に包まれ 広がる蒼穹にゆめを馳せる 光溢れる日々が いつまでも続くと信じて 力強く双翼を広げ いつか風に乗れると信じて 憧憬抱いて 今は 飛べない 雲間に揺らめく 光と影の狭間で 夢を見ていた 幻の羽ばたき まだ知らない まだ触れない 自由の行方に怯えながら それでも ただ願う 飛び立つ日を わたしは雛鳥 残酷の肖像を見せられ 迫り来る未来に身が竦む 暖かな陽射しが やがて暗雲に覆われると知って 無力過ぎる羽翼が 何れ嵐に浚われると知って 恐れをなして きっと 飛べない 追いかけた空は 儚く遠く この小さな羽根では届かなくて それでも抗えず 時に流され 巣立ちの瞬間へ わたしは雛鳥 抗う術も無く 辿り着いてしまった 巣立ちの日 見上げる空は あの日夢に描いたように 光に満ちていて 眩しくて 眩しすぎて 何が待ち受けているのかもわからずに 空に身を委ねた 夢うつつのまま 駆け抜ける風景 それはイタズラな世界が見せる幻想 なにかがはじけて 現実に戻され―― 今 地に堕ちた ツイソウ?ついそう?追想? ――これは終わりを迎える瞬間に廻る走馬灯 無知なまま地に堕とされるという「墜想」