朝霧にほどける  名もなき願い 指のすき間から  零れ落ちてゆく 遠くで鳴く鳥 誰を呼ぶの 昨日の私は  もうここにいない 水面に揺れる月 掬えば 形を失くして 確かだった温もりさえ 胸の奥で 薄れていく ああ 人生は 刹那の夢路 瞬きほどの 耀の旅 咲いては散りゆく  花のように 美しさだけ 残して消える だから今を  抱きしめていたい 消えゆく前の  この一時を 縁側に落ちた  夕陽のかけら 湯呑みに映る 静かな空 笑いあった日も 涙の日も すべてが淡く 溶けてゆく 風吹けば 袖が揺れ 記憶の糸をほどいてく 戻らぬ季節だと わかっていても  なお愛しい ああ 人生は 刹那の夢路 露のごとくに 消えるもの それでも確かに  ここにあった あなたの声と 私の鼓動 儚いからこそ 尊くて 胸の奥で 今も燃えてる ああ 人生は 刹那の夢路 短き夜の 幻でも 出会えた奇跡を  抱いて生きる たとえ明日が  霧に隠れても この一瞬を 歌に変えて 静かに 空へと 放つの