春の並木 花がひらく 手のひらに落ちる花弁 ガラス越し微笑む誰か 呼べない名を声で呼ぶ 止まったままの時の部屋で もう一度だけ触れたくて 画面の空は風が舞う 昨日の歌がそっと聴こえる 届かないけど 目は離せない ここでしか〝あなたに〟会えないの 夏の匂い蝉の声 夕立あとの彩る虹 伸ばした指で形をなぞる 忘れない〝思い出〟ひとつずつ 秋の並木 葉が舞い散り 金木犀が道を染める 小さな声でさよなら言った 歩き出せずに立ちどまる 遠い誰かが呼ぶ声がする 心の奥まで届いてくる 窓の向こうに灯火光る 帰れない家 暖かいこの手 抱きしめたくて 瞼を閉じる 夢の続き〝の中へ〟そっと落ちる 冬の朝に白い吐息 寒く凍る窓 指で描く 消えかけても見つめていた ここがわたし〝たちの〟いる場所で 四季をひとつに束ねながら 金糸の糸で心を縫う 再生ボタンを止めないで この世界〝夢を〟消さないで もしも世界が眠る夜も あなたの笑顔は今もある 記憶の本がそっとひらく やさしい景色をもう一度