
エイは笑っていた🫧 -Lyrics-🐠🐟🐠🐟🐠🐟 着いたよって 目をこすった 夏休みの渋滞の先 青い海のにおいがしていた 未舗装の駐車場 水族館に続く人の列 おそろいのリュック お姉ちゃんの背中を追いかけた 海の隣の長い建物 入り口はまだ先だ 首の汗は気にならない ヤシの木が並んでいた 館内は涼しかった 洞窟みたいに狭くて暗い通路 広間に出た暗い広間 深海みたいなカーペット 大きな水槽が眩しかった はるか上までそびえている 足に伝わるカーペットの感触 緩く弧を描くアクリルの大きな壁 湿った両手をつく 少しゆがんだ向こう側の世界 カメがいた サメがいた エイがいた 大きな魚 小さな魚 小魚たちは群れていた サメも尾びれを のんびり揺らしている 私が海の中を 動いているみたいに 魚たちが列をつくって ゆっくりと通りすぎる 大きなエイだった すいつくように そこにいた 白いお腹のエイ エイは笑っていた エイは笑っていた エイはお腹で小魚を 閉じ込めていた 小魚はだんだん エイの口元に導かれる ぎゅっと手を握る 食べられてしまう ありったけのちからを使って 逃げようとする 必死にはねる 必死にうねる 真っ白で大きな体に挟まれて 苦しくて動けない 大きな口が近づいてくる こんなにのんびりした海で ひとり食べられてしまう エイは笑っていた エイは笑っていた ふと体を押さえつける 重さが消えた 他のエイに気を とられている たまたま逃げられた とにかく上を目指した 同じ姿の小さな仲間 大きな群れ 同じ方向に泳いで 混ざっていく 恐怖はもうない 輪郭も意思もない 個という器はいらない 大きな輪郭に溶けていく 大きなゆりかごのなか ただ泳ぎ続ける ただ泳ぎ続ける シロイルカ見るんでしょ お姉ちゃんの雑な声 リュックを引っ張られて 慌ててカーペットの上を歩く お父さんが待っている 水槽を振り返ると エイはまだ笑っていた 🐟🐠🐟🐠🐟🐠🐟🐠🐟🐠

