Song Cover Image

無銘街道

+ Show full styles
V6

砂を払って 町を出る 名札も紋も とうにない 昨日のことを 訊くやつも ここにはもう いなくていい 風の向こうで 誰かが呼んだ そんな気がして 足を止める 名などない 誉れもない それでも道は 続いている 振り向くほどの ものじゃない ただ 夕陽の先へ 歩いていく 砂を蹴れ 風を切れ 名残だけ 置いていけ 日が暮れれば 目を閉じ 朝になれば また道の上 酒場の隅で 聞いた噂も 知らぬ顔して 杯を置く 鞘の傷だけ 増えていく 数えるほどの ことでもなく 遠い昔の 名を呼ぶ声は 風に紛れて 千切れて消える 道の向こうに 誰かが立って 昔の俺を 知っていても 語る言葉はない 名などない 誉れもない それでも道は 続いている 振り向くほどの ものじゃない ただ 夕陽の先へ 歩いていく 捨てたつもりの ものばかり 夜になるたび 影になる それでも 拾い直すには 遠すぎる 名などない 誉れもない 鉛も鋼も 砂と払って 鞘が鳴る この足だけが まだ俺を知っている 呼ぶ声なら 風に消えた 昨日なら 砂に埋もれた 何者でもないままで 夕陽の先へ 歩いていく 名は捨てた それだけだ 道はまだ――