
明かりは つけない 浴室 月明かりだけの 薄い暗闇 揺らぐ 湯気のなかに ひそむ わめこうが 苦しもうが 泣こうが 気づかれない 気づかせない闇 じぶんを ころせれば よかった じぶんで いなければ よかった 揺らぐ湯音。揺れる水音 溶けてしまいたい 解けたい この意識が 記憶が もういい 消えてしまいたい 消えたい 在っても なくても おなじ いいと わるいは ないから 立てないのは あまえて 開けわたした すべて 渡したから だれかに みせては いけなかった だれにも ゆるしては いけなかった 明かりは つけない 気づかせないまま 気づかれないまま じぶんを ころして じぶんで なくして 溶けてしまいたい 解けたい 揺れる 水の音

