
空席の椅子に 朝の光が座る 出席番号だけが 小さく鳴った 「大丈夫?」の相手が 今日はここにいない 黒板の端で 言葉の行き先をなくす プリントを二枚 机に重ねて 君の分の余白に 息を置いた 上手さより **角度(むき)**がいる 声量より 温度の行き先 **拍(はく)**をひとつ 胸で数えたら 沈黙さえも 合図になる 君がいない日の証明 「ここにいるよ」を 君の不在の側へ 短い一行で 回路を温める 見えない橋でも 渡せるものがある 心 × エネルギー(エネシン)= 伝わる力 声が小さくても 灯りは点く 窓のしずくが 出欠の丸みたいで 笑いのタイミングが 半拍ずれている 君がいない教室で 私にできること 欠けた和音の場所を そっと守る 増やすより 削っていい 飾りはいらない 真ん中の温度 “私”から“あなた”へ 主語をひとつ替えたら 距離のメモリが ひとつ縮む 君がいない日の証明 宿題の角に 小さな付せん 「つらかったね」を 君の辞書で 返事はいらない 置くだけでいい 心 × エネルギー(エネシン)= 灯る回路 世界の明度が ひとつ上がる Bridge(無音の一拍) 正しさよりも あなたの痛点(いたみ) 触れない距離で そっと守る (無音) 空席の椅子に 拍が戻るまで 君がいない日の証明 ゼロだった式に 灯りが差し込む 角度・温度・拍がそろったなら 届かなかった声が 歌へ変わる 明日、君の席へ 細い橋をかける 心 × エネルギー(エネシン)= 変わる世界 「ここにいるよ」を 欠席の行に 放課後の廊下 靴音がほどける 君がいない一日も 君へ向かう矢印で終わる


