
『デラシネの肖像Ⅵ』〜元神童と今の姫様〜 (Remastered)
『デラシネの肖像Ⅵ』 〜元神童と今の姫様〜 (歌詞カード) 【序文】 ずっと昔、私たちはすれ違ったまま、 同じ季節を生きていた。 “神童”と呼ばれた彼と、 “いじめ”の渦中にいた私。 あのころ、私たちはただ 自分の場所を守ることで精一杯だった。 交差しなかったのは、距離のせいじゃなく── 生き延びるためだった。 そして今、 止まっていた季節が、静かに動き始める。 これは、役割を背負わされてきたふたりが、 ようやく「人」として出会い直す物語。 その先に何が待つのかはまだわからない。 ただ、笑顔で迎えられる未来を そっと願いながら歩き出す── そんな始まりの物語。 【本文】 [Intro] 「あれれ!? あれ……?」 懐かしい影を見て、時間が止まった。 「えっ……!? もしかして?」 過去を知るその声に、今の私が揺らいだ。 ——目が合う。 その瞬間、止まっていた時計の針が、静かに動き出す。 [Verse 1] 遠い過去の情景。 ひとりは“神童”と呼ばれ、 クラスの中心にいた。 ひとりは“静かすぎる子”として、 いじめの標的になっていた。 記憶は互いに後ろめたく、 けれど、 どこかでずっと、 奇妙な縁の糸がつながっていた。 [preChorus 1] ふたりをつなぐ名もなき糸。 ただ、今を彩ってゆく。 「見ていたけど、関わらなかった」 「だからこそ、今まっすぐ見られる」 [Chorus 1] 近いような、 遠いような、 過去の姿と今の姿。 変わるものと変わらないもの。 時は静かに、 新たな記憶を刻んでゆく。 ——そして、ふと、思い出す。 [Verse 2] あのころ、言えなかった言葉たち。 目をそらすことが、優しさだと信じていた。 すれ違ったままの心を、 誰も責められなかった。 [preChorus 2] ふたりをつなぐ名もなき糸。 ただ、今を彩ってゆく。 「気づいてなかった、互いの痛み」 「もう一度、最初から出会えたなら」 [Chorus 2] 近いような、 遠いような、 過去の傷と今の輝き。 隠したものと見つけた真実。 時は静かに、 色あせた世界を塗り替えてゆく。 [Bridge] 過去の痛みも、栄光も、 互いの頭の中で風化していた。 それが今—— 偏見のない“まなざし”としてよみがえる。 忘れたふりをしなくていい。 見えなかった分だけ、 素直になれる気がした。 [Chorus 3] 近いような、 遠いような、 過去の幻影とまなざしの熱。 背を向けた日と向き合う今が、 時は静かに、 優しさの意味を教えてゆく。 [Bridge 2 — Dramatic Duet / Spoken] 【姫様】 「あのころはさ、何もかもから逃げたくて… 誰にも“助けて”なんて言えなくてさ」 【元神童】 「わかるよ。 …と言っても、今まさに“孤立”ってやつ味わってるよ」 【姫様】 「………」 【元神童】 「えっと…ごめん。 あのころの君に比べれば、大したことないんだろうけど」 【姫様】 「ううん、そうじゃなくて。 ああ、神童も落ちたな……って。フッ」 【元神童】 「言うなよ… 自覚あんだからさ」 ——ふたりの笑い声が、止まっていた季節を少しだけ動かした。 [Final Chorus] 切ないような、 愛しいような、 淡い記憶と、芽生えた気持ち。 変わってしまった視線の先は、 まだ見ぬ未来と、 新たな物語を刻んでゆく。 [Outro] うれしいような、はじらうような、 ふたりの姿。 あのころを笑って話せるくらいには、 想い出になってるんだね。 だって—— 笑顔のままで、ふたりは歩いているから。

