Cover Art by 🌈lucilucici Ravens run through KYOUYA’s soul🔥 《A silent vow ストーリー》 Kに突然呼び出されたメンバーたち。 マナP、ルーシー。そしてKYOUYA。 アンプ、キーボードタワー、ドラムセット。 無意識に彼らはそこに居た。 「悪いな、おまえら」 壁に背をまかせてKが口をひらいた。 「いいよ、帰ってもなんかモヤモヤして眠れ無さそうだし」 「私もなにか描けそうで描けない、 最初の線が引けない感じなんだよね」 Kが無言のKYOUYAに語り掛けるように言う。 「《I Won’t Betray My Soul》鳴らしてみないか、俺たちで」 KYOUYAの膝に置いた手が力む。 マナPがそれに手を重ねて言った。 「インストだね、このメンツだと」 「やろうよ。今、一緒に鳴らしたい」 ルーシーがスティックを差し出す。 目線を下げたままKYOUYAが口をひらいた。 「でもどう叩けばいいの?歌詞も譜面もないのに」 「おまえの片足で刻める限界のビート。縛りはそれだけだ」 KYOUYAのつま先に緊張がはしり、思わずかかとが浮く。 「なるほどね」 ルーシーが片隅に置かれたバスドラムに視線を向けながらうなずく。 「戻ってみないか、俺たちのいた場所に」 「カラちゃんのテレキャスでやりたいな」 と茶化すマナPのアンプはすでに温まっていた。 「カラちゃん言うな!」 「さてと、描きますか!」 デジタルパレットにルーシーの指が触れ、 瞬時に全てが立ち上る。 和みかけた空気に火を灯すように キョウヤの右膝が無音を刻む。 それを誰も見逃さなかった。 ルーシーの指が踊りデジタルワールドの扉を開く。 サンプリングされたマナPの音色が空間を彩り、 この瞬間、進行の全ての要素が決まる。 速いか!? 「イケる。このビートなら右足限界MAXでジャストだ」 躊躇いなくKYOUYAが鼓動を重ね、 呼応するようにKが弦をはじき、 KYOUYAの口元が初めて少し緩んだ。 「やってくれるね」 目を閉じたまま、マナの口元が笑う。 「さあ、歌えマナ!」 「うたいな!」 「うたって!」 用意された音の入り口の扉を静かに開くように、 メロウなギターが歌い始めた。 誰も視線などかわさない、むしろ目を閉じていた。 唯一、Kだけが熱い眼差しで部屋全体を捉えていた。 一人一人の表情を記憶に焼き付けるように。 完璧は求めるもの。見つけるものじゃないんだ。 シームレスに渡されてゆく音のメッセージ。 その中をKYOUYAが駆け抜けた。 「いい音もらえたよ、みんな」 カモノハシがヘッドフォンを置きながら一人つぶやいた・・・。


