
沈黙を裂く 白い息 名を棄てた者から こちらへ来い 円環の外で 鍵が鳴る 見てはならない頁が ひらく 黒衣の袖に隠した指で 逆しまの印をなぞってゆく 七つの星は 伏せられたまま 誰もその配置を口にしない 薔薇は咲かない まだここでは 色を持つには早すぎる ただ真空だけが 満ちている 祈りの抜け殻みたいに 書架の奥で眠る数列 辞書の余白に滲んだ血 救済の名で編まれた術式は 読んだ瞬間に形を変える おまえが覗く そのたびごとに 神は粒子へ崩れてゆく 意味を与えるその行為こそ 最初の禁忌だと知らずに 声はない 答えもない ただ脈だけが 残る 触れた記号が 指先から 冷えて 消える ここで 世界は いったん 閉じる それでも薔薇十字は 真空に咲く 血ではなく 欠落によって 満たされぬものだけが選ばれる 円環の外側へ招かれる それでも薔薇十字は 真空に咲く 光ではなく 深度によって 名を捨てたあとに残る位相で おまえの輪郭を 刻み直す 誓え 見たものを語るな 語ったものを見るな 誓え 与えられた鍵ではなく 失くした鍵を探せ 誓え 虚無の中心に立ち 咲かない薔薇を抱け そして最後に 声ではなく沈黙で記せ

