
[Intro — Schoolyard ambience, heartbeat] パン! 乾いたピストルの音 白線の向こう 砂埃が舞った [Verse 1 — Tense, rhythmic] 六月のグラウンド 石灰の匂いがした 借り物のハチマキを きつく結び直した プログラムの一番下 赤いペンで丸がある クラス対抗リレー 僕の名前は最後だった 去年の今頃も 同じ場所に立っていた 落とした銀色のバトン 転がる音を覚えてる [Pre-Chorus — Rising pulse] 「お前がアンカーでいいよ」 そう言ったあいつは 去年も僕の隣にいた 遠くで第一走者が スタートラインに並ぶ [Chorus — Explosive] 走れ! まだ僕の番じゃなくても 胸の中では走ってる 四百メートルの向こうから 誰かの足音が近づく 走れ! 一人じゃ届かない距離を 何人もの手がつないでく 勝ちたい理由は一つじゃない このバトンが教えてくれた [Instrumental — Driving drums, sprinting footsteps] [Verse 2 — Faster, urgent] 第二走者が追い抜いた 歓声が一段高くなる 第三走者の靴紐が ほどけかけているのが見えた 「あいつ! 靴紐!」 叫んだ声は届かない それでも彼は走り続け コーナーを曲がってくる 僕は右手を後ろに出した 指先だけが冷たかった 去年の失敗が まだ手のひらに残ってる [Pre-Chorus 2 — Nearly silent] あと十メートル あと五メートル 「いおり!!」 振り向くな 前を向け [Silence] [Chorus — Full-speed breakthrough] 走れ!! 手のひらに音が鳴った 確かにバトンを受け取った 砂を蹴り上げた瞬間 世界が細長くなった 走れ!! 白線だけが流れてく 応援の声も遠くなる 肺が焼けそうになっても 右手の重さは離さない [Bridge — Slow motion, piano] 最後のカーブで 一人に抜かれた あと百メートル もう足が上がらない そのとき 去年バトンを落とした場所に あいつが立っていた 両手を口に当てて 何か叫んでいる 聞こえなかった でも 笑っていた [Build — Heartbeat accelerates] 一歩 もう一歩 あと五十 あと三十 あと十 [Final Chorus — Colossal, emotional] 走れ!! 順位なんて見えなかった ゴールテープも見えなかった ただ目の前の白い線へ 全部の足音を運んだ 走れ!! 僕の手の中にあったのは たった一本のバトンじゃない 転んだ日も 笑った日も 全員分の今日だった 走れ!! 地面に倒れ込んだとき 初めて歓声が戻ってきた 何位だったか聞くより先に あいつの手が伸びてきた [Outro — Piano, distant cheers] 「落とさなかったな」 「……うん」 「来年もアンカーな」 「もう勘弁してよ」 二人で笑った 石灰の白い線が 夕日に染まっていた

