
あの夏はまだ 夢の中
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V5.5
坂道を越えて 陽炎が揺れていた 白い雲だけが 自由を知っていた 炭酸みたいな 午後のざわめきを 胸の奥へと そっと浮かべた 蝉時雨だけが 季節を急がせて 振り向くたびに 風が笑ってる 誰もいないのに 確かに聞こえた あの日の声が 胸を叩いた 終わったはずの 景色なのに まぶたの奥で 色褪せない 手を伸ばすほど 遠くなるけど 光はずっと ここに残る あの夏は まだ夢の中 青すぎる空へ 心を預けて 大人になるたび 少しずつ遠くても あの風だけは 今も変わらない 忘れたわけじゃない 時間の向こうで 笑い続ける 夢の中 信号が変わる ほんの数秒で 世界は何度も 生まれ変わった 帰り道には 理由もないまま 夕焼けだけを 追いかけていた 飲みかけラムネの 最後の泡まで 今日という日を 映していた 未来でいつか 立ち止まるなら 思い出よりも あの日の景色が 背中を押すだろう 「まだ行けるよ」と 風が歌うから あの夏は まだ夢の中 眠ったままの 思い出じゃない 胸のどこかで 今日も息をして 新しい朝を 照らし続ける また会えるまで 消えない光 あの夏はまだ 夢の中

