鏡の中 また増えてる 白い肌に咲く赤紫の薔薇をそっと撫でていく 私を殴るあなたの拳が 震えていたから かわいそうな人 私がいなきゃダメな人 そうやって 自分に言い聞かせてきた… 空っぽの私の心を 愛という名の 重い拳で埋めて欲しかった 痛みが走るたびに思う 「ああ、私はここにいてもいいんだ」 白く煙る部屋 溶けていく脳 指先の震えが止まらない 慣れた手つきで魔法の粉を吸い込んでいく… 孤独をかき消すくらい激しくなる鼓動 キラキラ七色に輝く世界に飲まれていく… 「お前は俺なしじゃ生きられない」 その呪いが心地よくて 泥沼の底 二人きりなら 地獄だって天国に見えた ただ、あなたに認められたかっただけなの… でも擦り切れていく心に体が無音の悲鳴をあげ続ける 優しさと暴力の境界線が混じり合い 真っ白に吹き飛んでいく ねえ、愛して もっと壊れるくらいに その手で首を絞めて 私を殺して欲しかった でも、あなたの心臓を貫いたのは 私の震える手に握られた銀色の刃 噴き出した赤が 私を染めて ようやく私は「私」になった… 静かになった 冷たくなった もう怒鳴り声も聞こえない これが自由? これが解放? 笑い方さえ忘れたのに 自由になった心は ひどく寒くて 空っぽだった 一人で歩く道なんて どこにも続いていない 私の価値は あなたの瞳に映ることだけだったから 薬の残りを全部飲み干して あなたを追いかける準備をする カミソリの刃が 手首を優しく撫でる 床に広がる赤い血…まるであなたがあの日 私にくれた薔薇の花束のよう… もうすぐ追いつくよ 暗い暗い淵で また私を殴って また私を愛して 一人は怖いよ 暗闇は嫌だよ 地獄の門の前で待っていて また私を あなたの中に閉じ込めてよ! さよなら、愛して 狂おしいほどに あなたがいない世界に 一秒だって価値はない 冷たい床で重なり合い 二度と離れることのないよう互いの指を絡め合う… ねえ、もっと殴ってよ…… ねえ、もっと愛してよ…… ねえ、もっと認めてよ…… ねえ、私を終わらせてよ……


