見慣れた坂を 曲がれば あの日の風が 頬を撫でる 坂道の途中で 立ち止まり 遠い季節を ひとつ拾った 変わったものもあるけれど この坂の匂いは 覚えている 石畳の目地に 殘る足跡 君と歩いた 日々のしるし 久しぶりだねと 笑う君 その聲で 時間がほどけてく 見慣れた坂の 向こう側 しまっていた日々が 目を覚ます 久しぶりだねと 笑う君 その聲で 心があたたまる またここから 歩ける気がした この坂の上で 坂の途中の 小さな店 古い椅子に 午後の色が殘る 話し足りないままの 言葉を ひとつずつ 靜かに渡した 離れていた 道のりさえ この坂に続く 景色だった 遠回りした あの日々も 今日のための 坂だった 久しぶりだねと 笑う君 季節の巡りを 連れてくる 見慣れた坂の 匂いまで 忘れていた夢を 呼び戻す 久しぶりだねと 笑う君 その聲で 心があたたまる またここから 歩ける気がした この坂の上で 風が坂を 駆け上がって 二人の髪を 揺らしていく さよならじゃなく また會おう 言える今が うれしかった この坂を登るたび 君を思い出すだろう 久しぶりだねと 笑う君 その聲で 心があたたまる 見慣れた坂の 向こう側 重ねた思い出が 道になる 久しぶりだねと 笑う君 その聲で 時間がほどけてく いつもの坂で また會えるね この坂の上で 見慣れた坂を 下りながら 新しい季節を 迎えに行く この坂の途中で また會える日まで 見慣れた坂が ずっとここにある 「またね。」


