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残光漂流

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V5.5

午前零時を越えた空 街の灯りが 小さくなる 眠れないまま目を閉じて 僕は夜へ浮かんでいた 遠ざかる屋根も 信号も 星に変わって 煌めく 時間だけが先を急いで まだ心は 君を見ている 新しい店ができたこと 髪を少し切ったこと 前ならきっと話してた 言葉だけ 行き場をなくしてる 駅前の古い歩道橋 自販機だけが明るくて 君の好きだった歌が 同じように流れてる 忘れたいわけじゃない ただ進む道が違ってしまって 少しずつ遠ざかることだけが 前に進むことだと思ってた けれど夜空に散らばった 光をひとつ見つけるたび 終わったはずの一秒が 今頃 胸へ届いてくる 時間は僕を運ぶのに 記憶は君へ戻っていく 追いつけない 追い越せない あの日の声がまだ響く 夜空いっぱい 瞬くのは 綺麗になった過去ばかり 戻りたいとは言えないまま 僕は明日へ飛んでいく 立ち止まる心を 世界は待ってはくれないけれど Ah 遠くなる街の上 Ah 残光だけを連れていく 思い出の店だって 一人だと案外普通だった 記憶の中の君だけが いつでも少し眩しすぎる 何を話して笑ったか 細かいことは消えたのに 帰り道の風の温度 それだけ妙に覚えている 星の光は昔から 長い時間を越えてくる もうそこにはないものさえ 今ここにあるように見せる 僕も同じだと気づいた 君を見ているつもりでいて 本当は胸に残された 光の跡を見ているんだ 時間は僕を運ぶのに 記憶は君へ戻っていく 大丈夫だと言い聞かせるたび 記憶の中で君が笑う 夜空いっぱい 瞬くのは 忘れたい日々じゃなく 思い出に閉じるその日まで 消えないでほしい光なんだ またどこかで 出会ったとして 綺麗に笑える日が いつか来るだろうか 忘れないことと 立ち止まることは きっと同じじゃないから この夜が明けるその前に 光を光のままつれていく 綺麗だったと笑えるように 悲しかったことも抱きしめて 時間は僕を運ぶから 記憶も連れて飛んでいく 夜空いっぱい 瞬くのは 君と過ごした過去じゃなく 過ぎ去った日々を抱えたまま それでも進む 僕なんだろう 時間は僕を運んでいく 世界の速さに揺れながら 今はまだ星に見惚れてる