
月の裏側 珊瑚が眠る 指切りしたのは 潮の満ちひき あなたの声が 遠雷のように 肋骨の奥で まだ響いてる 夜光虫の灯り 掌に集めて 数えた約束は 七つ目の泡 島風が運ぶ 珊瑚の欠片は 歯の浮くような 甘い毒だった 「忘れないで」と 砂に書いた文字 波がさらっても 貝殻の耳で 聴いているから ずっと 月が割れた夜 珊瑚は嗤う あなたの横顔 蜃気楼のように この胸の奥に 根を下ろしたのは 満ちては欠ける 恋の化石 夜更けの浜辺 裸足で立つ 足跡ひとつ 潮が消すまで もう少しだけ ここにいさせて 珊瑚の欠片を 握りしめて

