濃霧の底に 沈む谷  伊吹の嶺は いまだ見えず  濡れた具足に 落ちる雫  十万の気配 息を殺す  火縄の先端に 灯る赤  泥濘の原に 陣旗立つ    東に葵 西に掲ぐる  大一大万大吉の旗! 陣鐘一つ 鳴り渡りて  大地が裂ける 朝駆けの刻! ウォーッ!   切り裂け朝霧 泥濘蹴れ! 笹尾の嶺に 旗が鳴る! 鎬を削る 白刃の刃鳴り  乾坤一擲 我が義を刻め! 命を賭して 関ヶ原  散るを恐れぬ 武士の唄!     硝煙巻きて 視界奪い  鬨の声のみ 天に響く  松尾の山は 動かざるか  睨み合う眼に 火花散る  問鉄砲の 轟音轟き  裏切りの雪崩 陣を突く!   崩るる備え 孤立の陣  退路を断たれ なお構えん  敗色の中 研ぎ澄まされし  己が覚悟の 切っ先を見よ! ハァッ!   裏切り飲み込み 前へ出ろ! 崩れの中で 槍を振れ! 引き裂かれても 曲げぬ信念  朽ちるわけには いかぬ大義! 血煙あがる 関ヶ原  この眼に焼き付け 突き進め!     露と落ち 露と消えにし  覇道の灰  されど我が胸の 誓いだけは  誰にも奪えぬ 消せはせぬ    いざ 参らんッ!!     ……笹尾を越えて 天へ轟けーーッ!   葵も散らせ 大一大万! 研ぎ澄ませ刃鳴り 死ぬるまで  この大地へと 名を残せ! 最後の一刀 関ヶ原  戦国を裂く 雄叫びを!!   突き抜けろ 関ヶ原ーーッ!