
あなたとは終わった。それで終わりたくなかった。 とりあえず、冷静に残った物をなぞった。 得られるのは、材質の触感だけじゃない。 喉から出ていく、言葉があるだろう。 下取りじゃ価値がなくても、私にとって価値がある。 幸い、今は誰もいないさ。 宿った想いをポケットに。 何だっていい、盗め。 どの思い出でもいい。 つまらなかった、どうでもよかった、ひょんなことでもいい。 この生活は凄惨だった? そんなの悔しいだろ。 書けよ、あなたの許しなんて当然得るわけないだろ。 大した才も能もない。私の力じゃ拍手なんてさ。 ほら見ろ。周りはこんなに、 原材料不明で、咲いてる。 仕方がない、背に腹は代えられないのさ。 思い出を、盗め。 心象を、盗め。 告白です。 行きつけのカフェの裏まで猫を追いかけた。 その時の、盗んだ言葉を机に出した。 対面で座る四人席、あえて片側で座った。 その時の、自分の気持ちを机に出した。 所有物と盗品で半々、とっ散らかっている。 人間は、嘘が半分だと分からない。 なら騙して全部、自分の物としたい。 大した才も能もない。私の力じゃ拍手なんてさ。 ほら見ろ。周りはこんなに、 原材料不明で、咲いてる。 仕方がない、これは誰も悪くないのさ。 思い出を、盗め。 心象を、盗め。 一人じゃ、何もできやしない。私の力じゃ拍手なんてさ。 ほら見ろ、あなたとこんなに、 素敵な思い出が、咲いてる。 仕方がない、これは誰も悪くないのさ。 思い出を、盗め。 心象を、盗め。

