
Lyric : TSUNEKA 光が照り返して、影を踏む 灰色の町 雄弁なサルスベリ 誰も聞いてないのに、赤だけがよく喋る 入道雲と欠けた太陽 見上げるには眩しくて、俯くには暑すぎた 足裏に響く砂利の音 歩いているのか 削れているのか わからないまま 排気ガスに息を止めた ひとつ ふたつ 言いかけた火を飲み込んで 紡いだ言葉が肺を通して 灰になった 光が照り返して、影を踏む 私の輪郭だけが黒く残る 夏が眩しいほど声は肺に沈んで ひぐらしの音さえ風が消していく ねえ、聞こえたふりをして 灰になった言葉をまだ持っていて サルスベリはまだ咲き誇っている 散りゆく花と咲き続ける花 欠けた太陽、降り出した雨 それに触れてしまえば流されてしまう気がして 砂利を踏むたび小さく鳴る 歩いているのか 止まっているのか 分からないまま 吐き出せば少しは軽くなると ふたつ みっつ 言いかけた火は燻って 胸を焦がして肺の奥で 灰になった 水たまりを避けて、砂利を踏む 私の赤い花だけが黒く残る 夏が明るいほど私は目を伏せて ひぐらしの音さえ風にさらわれて行く ねえ、聞こえなくていい 灰になった言葉はもう舞い散った サルスベリだけがまだ囁いている くべた言葉の余熱だけが残っている

