霞の向こうに揺れる幻 有限の刻を舞う薄紅の桜 神秘のヴェールに閉ざされた理 答えも知らないまま 静かに消えてゆくだけ 冷たい玻璃の窓を指先でなぞる 輪郭のぼやけた外の景色 春の息吹さえもフィルター越しに 現実味なくただ遠く感じていた 色をなくした空の下で移ろう季節 私だけが止まったまま取り残されていく もしもこの世界が誰かの見る夢で 目覚めればすべてが泡沫に還るなら 咲き誇ることの意味さえも 届かない場所へと堕ちてゆくの? 探してるのに 朧に降り注ぐ陽炎 有限の螺旋で散りゆく運命 神秘のベールに隠された言葉に 触れることもないまま 願いだけが宙を舞う 一瞬の煌めきだけを 束ねて永遠と呼ぶのなら この刹那に閉じ込められた 想いは何処へ 霞の向こうで全てが融けてゆく 有限の刻に咲いた生命の華よ 神秘の扉が開かれるその日まで 私は何を想い眠ればいいの? 儚いからこそ美しいと知った この痛みさえも抱きしめていよう さよなら 春の幻


