あれは夏至の日。 日常から 逃避行のふたり。 ホタル狩りに でかけたわね。 遠いあの日。 月の光も 遠慮して ふたりの姿、 かくしてくれたの。 昼の時間が いちばん長い日に 暗くなるのを 待ったわね。 夏至の日には 妖精に会える。 そう、ホタルは 妖精の化身ね。 日常から つかのまの 逃避行。 儚げなホタルの 光の舞い、 ふたりの未来が 重なってみえた。 つかのまの逃避行。 わかっていたの。 かくれるところなんて 何処にもないんだと。 ふたりとも 別々の場所に 帰っていくの。 月も星もない夜空を 散歩するふたり。 わたしたち、まるで 迷子になったホタル みたいね。



