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九龍ノワール

V5.5

ネオンの雨を越えた灯り ひび割れた夜を泳ぐ龍 誰かの怒鳴り声さえ この街の鼓動みたいだった 欠けた卓に並ぶグラス 濁る琥珀 笑う横顔 傷だらけの路地裏ほど 不思議と嘘を嫌うのね 煤けた換気扇の風 濡れた看板 軋む階段 崩れかけた塔の隙間 賑わい 流れる星のよう 獣みたいな喧騒でも 妙に静かな目をしてる 生き延びるための優しさを ここじゃ誰も否定しない 紅い月が沈むたび 名もない歌がまた増える 割れた皿も 古い傷も 笑い飛ばして夜を跨ぐ ああ 錆びた夢の吹き溜まりで 誰より自由に息をした 消え残る煙の匂いを 私はきっと愛してしまった あっちじゃ椅子が飛んで 安い酒が床に散った 怒号の向こう 誰かがまだ 明日の話で笑ってる 綺麗な街になったなら きっと空は見えるでしょう だけど静かすぎる場所で 人は上手く眠れるの? 遠い未来の壁の向こう この熱も風に散るなら せめて今は 壊れかけの灯籠みたいに 滲む夜を抱いていたい 黒い雨に煙る窓 それでも朝を待ち続け 雑多な夢の吹き溜まりを 誰かが今日も渡ってく ああ 崩れ落ちる日が来ても ここで交わした眼差しは 金より深く残るでしょう 路地裏の川みたいに