
月曜日のクラゲは 電柱に引っ掛かったまま 青信号だけを食べて 透明な骨を伸ばしている 僕は昨日の抜け殻を コンビニの傘立てに忘れた 誰も気付かないから たぶんまだ僕なんだろう 交差点で溶けた夕焼けを ポケットに詰め込み過ぎて 歩くたび赤い砂が 靴の中で鳴いている 空き缶の神様が 自販機の裏で眠っていて 叶わなかった願いだけ 丁寧に回収していた ねぇ 寂しいって言葉は どこの売店で売ってますか いつから僕ら 痛みの名前だけ 覚えるようになったんだろう 逆さまの観覧車で 海月(くらげ)みたいに揺れている 落ちているのか 昇っているのか 誰にも分からないまま 世界は綺麗な顔で ゆっくり壊れていく だから僕は 花火になれない星屑を 集めて歌っている 夜になると駅前の銅像が 少しだけ泣くことを知っている 誰にも聞こえないように 錆びた音で泣いている 僕らはそれを見て見ぬふりで 「今日も平和だね」と笑う 本当に怖いものほど 景色に馴染むから 冷蔵庫の光の中で 未来が賞味期限を迎えた それでも捨てられなくて ずっと冷やし続けている いつか食べるつもりだった あの日の夢みたいに 逆さまの観覧車で 名前のない風になる 正しいとか 間違いとか もう少し遠くへ置いて 誰にも理解されない 言葉の種を蒔こう 百年後の誰かが それを花だと呼ぶまで 僕らは静かに 狂っていよう

