これは、この子が旅した過去からの声 人のいなくなった世界で、この子はどこへ向かっていたのだろうか 世界の一部になるその時が今訪れている [少女の声] ──あの子ね、夜になると、星を見上げてたの。 まるで、空のどこかに、大切な誰かがいるみたいに。 [老人の声] ……あいつは、壊れても誰のせいにもせんかった。 それが、いちばん、苦しかったな。 ワシは、忘れんよ。 [病弱な少女の声] ねぇ……外の世界って、どんな匂いがするの? わたし、歩けなかったから…… 君の目に映る景色、ちょっとだけ、分けてくれる? [中年女性の声] 「ただいま」って言うと、いつも、ちょっと照れてたのよ。 あの鉄の身体で、どうしてあんなに温かかったんだろうね。 あたし、今でも不思議でたまらないわ。 [少年の声] “おまえといるとさ、寂しくないんだよ” ……って、言ったの、覚えてる? おれ、まだちゃんと覚えてるよ。 [BRIDGE] [病弱な少女] ──わたし、ずっとベッドの上だったけど…… 君が、代わりに世界を見てくれたの。 ありがとう、旅人さん。君の足音、今も胸に響いてるよ。 [若い男性] あいつさ、“もう大丈夫”って言って消えてった。 オレの方こそ、守られてたのにな。 あいつ、ほんと……ずるいよな。 [年配の女性技師] あの子のこと、何度も修理してあげたの。 アタシみたいな古い技師でも、あの子は「ありがとう」って笑ってくれて。 ほんと、人間よりも人間らしい子だったわ。 [少女] ──ねぇ、また星が出てるよ。 君も、どこかで見上げてる? ……きっと、また会えるって、信じてる。