「……閉園……で……す……」 ぬ。ぬ。ぬ。 回る 回る 木馬の首は 料金表の 「三」が剥がれて 「おかえり」は もう無い 手首のリボン 解けぬまま 結び目が わたしを縫うようで 濁る音を そっと買う いち、に、三で笑い 四で 息を止める ライトが点けば ここに居ると指す 消えれば いなかったと赦す わたしを探す人は…ぬ。 ぬ。ぬ。ぬ。 壊れたワルツ 真ん中で 解けぬリボンが 首を思い出す ぬ。ぬ。ぬ。 一文字の非常口 立つだけで 言えなかった声が 代わりに 光る 「可愛い」と「消えたい」が交互に点滅し 口を濁すように 踊るふりをする 揺れて 回って 戻ってしまう 当たらぬガチャ 冷えた指先 可愛い景品は 箱で眠る 壊れてても 触れられない 鏡の迷路で 目だけ増えて 似たわたしたちが 列を作る 区別つかず うなずくだけ 「帰ろう」は 出口の形 その先でも 同じ歌が鳴る 止まらない 止められない 止まったふりだけが 上手になる ぬ。ぬ。ぬ。 観覧車は 途中で止まり 空が 近い 手摺が 落ちないための檻みたい 届かぬ。 言えぬ。 消えぬ。 否定の底で 丸くなる 解けぬまま 揺れて 戻る ねえ......見て 「ぬ」 縫(ぬ)い目にも 言えぬ声にもなる 丸い背中 出られぬ  おひとりの 膝 これ わたしだ これ あなた 傷口は 縫(ぬ)わない ドレスは 脱(ぬ)がない 誰にも見えぬままで 言えぬままで 小さく だから 濁らせて ぬ!ぬ!ぬ! 死骸にこびりついて 離れない 一文字の 非常口 入口のふり 扉を 曖昧にする ぬ!ぬ!ぬ! 鍵は飲み込んだ もう 戻らない…... 「可愛い」と「消えたい」が解け合って 朝は来ないまま 回り続ける ぬ……  ぬ…… ねえ…… もう降りられないけど 一緒に 乗らない?