照りつける太陽が 俺をにらんでる アスファルトへ 俺の輪郭が滲んでいく 蝉時雨の中 足元でぐしゃり 見下ろせないまま 靴底だけが覚えてる 汗でずれた影 何度も引き伸ばして 崩れかけた形を 今日まで繋いでる アスファルトへ滲んで もう形も分からない 俺の輪郭を溶かして このまま気化してくれよ ぐしゃり ぐしゃり 靴底が知ってる 見下ろせないまま 夏の向こうへ行きたかった 焼けた白線の上 息だけが重い 誰かの声も 遠くでほどけてく 蝉の声が耳を刺す 乾いた喉では叫べない 命を使い果たすまで 鳴けるお前が羨ましい アスファルトへ落ちた 俺の輪郭を 見なかったことにして また踏んでいく アスファルトへ滲んで もう形も分からない 俺の輪郭を溶かして このまま気化してくれよ ぐしゃり ぐしゃり 靴底が鳴っている 見下ろせないまま 声にならない熱を 飲み込んでいた 照りつける太陽が 心まで焼いていく 目を細めた先に 逃げ場のひとつも 残してくれない 陽炎にほどけてく 俺の輪郭だけ 路上に取り残された ぐしゃり ぐしゃり 鳴き終えた声を踏んで 空蝉になった俺を 夏が追い越していく