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ひとりで直さない #ぬのきおく1

[Verse 1] 古い包みをほどく午後 時を重ねた着物がひらく 消えない染み ほどけた糸 声にならない「直せますか」 光に透かし 布にたずねる できることと できないこと ひとつの技で届かぬ場所は 信じる手へと託してゆく [Pre-Chorus] 洗う人 染める人 刺繍を戻す人 それぞれの覚悟が 京都の町でつながる [Chorus] ひとりで直さない だから最後まで諦めない ひとつの手では届かない場所へ いくつもの技が届いてゆく 一枚の布に残された 誰かの時間を消さぬように 直すことは その記憶ごと また着られる明日へつなぐこと [Verse 2] 薬品の匂いがする工房で 職人の手を見て育った 継げと言われたわけじゃない 自分でこの道を選んだ 一度は甘い菓子の店で 人に向き合うことを学んだ それでも心に残っていた 色を生かす父の仕事 向いていないと迷った日も 昨日できなかったことが 今日ひとつ できるようになる その積み重ねが 技になった [Pre-Chorus] 何でもできるとは言わない いちばん確かな道を選ぶ 誇りは抱え込むことじゃない 一着のために 知恵をつなぐこと [Chorus] ひとりで直さない だから最後まで諦めない 洗い張りも 染め替えも 確かな手へと渡してゆく 一枚の布に残された 誰かの想いを救うように 直すことは その記憶ごと また着られる明日へつなぐこと [Bridge] 染みを消すだけでは 戻らないものがある 失われた色を もう一度かさねる ほつれを結び 形を整え 待っている人のもとへ 着物はまた その人の時間を 歩きだす [Final Chorus] ひとりで直さない だから最後まで諦めない ひとりの技を 誇るためではなく 一着にいちばん良い答えを 京都の町で 手から手へ 三百年の知恵をつなぐ 直すことは その記憶ごと 未来へそっと渡すこと