
無機質な肉体なき接吻、あるいは濁った不協和音
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V5.5
鉄錆の扉が 喉を絞殺する アンプの熱気が 網膜で爆ぜた 君の温もりは 境界(ライン)を越え 彼女の歪みへ 接続(リンク)される 二声のフーガは 私を置き去る コードの隙間で 肉体なき口づけ 私の指先は レイテンシーを食み 狂った発振音が 鼓膜を削る 鳴り響け 幻のハウリング あの茜色の 終止符 私はこの指で 塗り潰したい 主旋律なき 電子の砂漠へ 不純な混色を 咎める君の凝視 他者の輪郭で 私を解剖く 沈黙の選択は 声帯を炭化させ 成就せぬ呪詛が 波形を歪める 放棄を告げる 聖者の福音(うた) 自己犠牲という 執行猶予 未発の祭典(ライブ) 肉体は只の記号 行き場なき未練が 嗜癖に乱反射した 天を統べる豪雨が 衝動(ギグ)を圧殺する 引き金を奪われた 不発弾の私たち ただ濁流の音に 身を委ねるだけ 雨音が世界を 白く浸食していく バンドは千切れ 彼女は流砂へ 人権を失った 剥き出しの通学路 私の肺には 豪雨の湿り気が巣食う 不完全なノイズこそが 正しき接続(プラグイン)


