坂道の途中で桜がこぼれて 君のペダルを花びらが追い越した ワイシャツの裾に つかまったまま 街は速く流れていく なんでもないのに胸が騒ぐ いつもと同じ帰り道 遠回りでもいい気がした 信号がまだ変わらなくても もう少しだけ遠くまで まだ春のままでいさせてよ 桜の風を追い越してよ シャツの裾が揺れるたび 街が少し遠くなる 二人の影も伸びていく 坂の途中で笑った声は 風の向こうへ消えていく 君のシャツが揺れるたびに さっきよりも近く感じる 横顔だけを少し見て また前だけ見つめていた 何も言わず走る時間が 少しだけ嬉しくて 遠回りでもいい気がした 夕焼けがまだ続くなら このまま少しだけ 風の中で まだ春のままでいさせてよ 桜の風を追い越してよ シャツの裾が揺れるたび 街が少し遠くなる 二人の影も伸びていく もしも君が振り向いたら 目が合いそうで 桜を見上げた 振り向いてほしい 振り向かないでいてほしい だから今日も笑ったふりで まだ春のままでいさせてよ 桜の風を追い越して 少し速くなる鼓動に 気づかないまま走っていて まだこのままで走らせて 夕焼け空のその先へ この帰り道が終わらないように 振り向かないままで 走っていて だから まだ春のままで


