
果実みたいに甘い あなたから届く文字 句読点の隙間まで 今日は笑って見えた みんなは静かな横顔だけを 覚えているみたいだけど 画面に灯るひとつの通知は 少し悪戯な光をしてる 返事はいつも半歩斜めから 思わず笑ってしまう角度で 僕には思いつかない景色を 今日もさらりと置いていく その余白だけで 笑ってることくらい もうちゃんと分かるよ あなたは行間で笑っている 誰にも見えない顔のままで 文字は無表情なんかじゃなくて 今日も小さく息を弾ませる 読み返すたび 少しずつ増えていく 僕だけが知っている あなたがいる あの日届いた後ろ姿からは 想像もできなかった 今では夜更けのひとことだけで 画面越しでも部屋が少し明るくなる 「頭痛は大丈夫?」 遠い街から届く文字は 薬より先に効いてしまって 笑われそうなくらい嬉しかった たまに落としてくる弱音は 消したはずの下書きみたいで 強い人ほど 抱え込むことを 僕は少しだけ知ってしまった 誰にも見せないその一頁へ そっと栞を挟むように 今日も胸に残してる あなたは行間で笑っている みんなが知らない声で笑う そして僕より先に見つけてしまう 僕の本音も 照れ隠しも 相性なんて 笑ってたのに 少しだけ信じたくなって 会議中なのに 思い出してしまう 通知もないのに 口元がほどける 果実みたいに甘い あなたから届く文字を 今日も僕は 次の一行を待ちながら 行間で笑っている 今日も あなたから届く文字を 待っている

