
矛盾のサーカス [Intro] …… よう来たな。 今日は怒鳴らへん。 お前を殴る気もない。 ただ、笑いながら鏡見せたる。 Happy Forever… ⸻ Verse 1 お前は口だけちゃう。 口しか残らんかった人間や。 最初は一回だけ逃げた。 次も逃げた。 その繰り返しで、 「できへん」やなく 「やらへん」が性格になった。 それを「慎重」って名前に変えて安心しとる。 でも中身は、 真夏の生ゴミ置き場で袋が裂けた瞬間みたいに、 開いた途端、腐敗臭だけが一斉に押し寄せる。 Happy Forever. ⸻ Verse 2 お前は人を見下しとるんちゃう。 見上げる側になるんが怖いだけや。 だから誰かが挑戦した瞬間だけ、 急に評論家になる。 成功したら黙る。 失敗したら元気になる。 その姿、 道路脇の死骸に一斉に群がるハエと変わらん。 生き物には興味ない。 腐り始めた瞬間だけ目ぇ輝く。 ⸻ Verse 3 お前は賢いんちゃう。 答えを知っとるフリが上手いだけや。 聞かれたら話逸らす。 詰められたら笑う。 都合悪なったら空気変える。 その理屈、 腐った果物みたいに、 軽く押しただけで中身がドロッと潰れる。 外だけ磨いても、 腐敗臭までは消されへん。 ⸻ Verse 4 お前は嘘つきちゃう。 嘘を積み重ねすぎて、 本音の顔を忘れただけや。 鏡見るたび、 演技だけ上手な知らん奴が立っとる。 その笑顔、 排水溝の奥で何年も固まったヘドロを 棒でかき混ぜた時みたいに、 静かやのに部屋中へ悪臭が広がる。 Happy Forever. ⸻ Verse 5 お前は弱いんちゃう。 弱さを認める勇気がない。 だから全部、 環境。 タイミング。 他人。 運。 責任だけ綺麗に外へ捨て続けた。 気付いた頃には、 心ん中、 誰も開けへん地下室みたいに、 湿気と黒カビしか育たん場所になっとる。 ⸻ Verse 6 一番怖いんは、 お前が気付いてへんことや。 その臭いに慣れたんや。 腐った部屋で何年も暮らした人間は、 新鮮な空気の方が違和感になる。 だから正しい言葉を聞くたび、 苦しくなる。 腐敗を「居心地」って呼び始めた時点で、 もう戻る道を自分で埋めた。 ⸻ Verse 7 俺は何も壊してへん。 お前の言葉並べただけ。 崩れたんは、 最初からヒビ入っとったからや。 最後に残ったその声、 腐った排水管の奥から漏れ続ける濁った水みたいに、 止めようとしても、 まだ少しずつ滲み出てくる。 面白いな。 一番逃げ続けた相手は、 他人やなく、 鏡の中のお前自身やった。 Happy Forever. ⸻ [Outro] …… 笑ってたんちゃう。 確認しただけや。 人間は、 腐る時ほど静かなんや。

