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沈黙の岸辺

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V5.5

名前を呼ばれなくなってから 私はようやく風の声を聞いた 高く伸びようとした枝は折れ 空をつかもうとした指は 土へ戻った 誰かのまなざしの中で生きることをやめた日 世界は少し静かになった --- 川は急がない 山もまた 自分が山であることを証明しない ただ在る 朝が来れば光を受け 夜が来れば闇を抱く その繰り返しのなかで 形は生まれる --- 境界とは 拒むためではなく 失わないための輪郭 海が岸辺を持つように 沈黙にも岸辺がある 近づくことと 溶け合うことは違う --- 熟した果実は 「熟した」と語らない 香りだけを残して落ちる 技もまた同じ 深く潜るほど 言葉は少なくなる --- 鳥は飛んだことを説明せず 花は咲く理由を述べない 行為だけが 時間のなかに残る そして時間だけが それが本物だったかを知っている --- だから私は問うことをやめる 尊敬されるだろうか 理解されるだろうか 愛されるだろうか その代わりに 今日も木は根を伸ばし 川は流れ 石は沈黙する 何かになるためではなく ただ真実であるために --- やがて誰かが その木陰で休むかもしれない けれどその頃には 木はもう 尊敬について考えていない。