
等間隔の電柱の連中が、 君に会えない距離だった。 そこに涙を添えても、 過去が強くなるだけ。 もう足が蔦になって、 容赦なく四月が責め立てて。 君行きのバス停の、 ベンチから立てなくなった。 私に切手を貼ったって、 箱詰めにされたって、 宛先が分からないのです。 何度も花を添えているのに。 君と釣り合わない世界なら、 君を釣り上げてみせるから。 でも似合う餌も餌代も無いや。 タイピングみたいな鼓動の速度。 水に敗れた時刻表を見て、 来ないかもしれないバスを待っている。 動けないのに、 君から遠ざかってる気がする。 ずっと反対方向ばかりで、 諦念を提案してくる。 いない方へ乗ってしまおうか。 でも。 乗らないほど、君が好きだから。 寿命なんて分かんないけど。 着実に水位は上がってきていて。 天井を舐めてみる。 知らない味だった。 冷蔵庫の余り物で、 作ったような幸せを食べてる。 本物ばかり燃えカスになる。 酸素を返してよ。 足りないものだらけになる、 バス停の中。 君は迎えに行くと言ったから。 ここが墓標になってもいいよ。 傷に塗れた地獄郷にいて、 壊れ切ったベンチにて待っている。 「動きたいのに。」 君もそう思っている気がする。 ずっと願いたいことばかりで、 年々と凄惨してくる。 いない方へ乗ってしまおうか。 でも。 乗らないほど、君が好きだから。

