
サティがサティバでブリブリでアンニュイな鍵盤で優しく心を撫でにくる夜、通い慣れた文壇バーも飽きたのでもっとアングラな刺激がほしくて猥談バーへと繰り出すおれは彼女が最近少しSMに興味が傾いてそうなのでとりあえず龍先生のコックサッカーブルースを読ませておくことにしたが、彼が連れて行ってくれたシーシャバーが案外良かったのと話題に詰まることの多いママ友との飲み会でサービス精神旺盛に切り出してみたものの若干みんなが引いてるのに気づいてしまって何だか消化不良に終わった帰り道わざわざ錦糸町駅で降りてハプバーに立ち寄って女性無料を良いことにファミレスのドリンクバーみたいな利用方法だなと自分では思いつつ彼との少しの薄明かりの時間があるだけでいつまででも妄想を膨らませることができるので二次関数的な自家発電であたしはエナジーバーもプロテインバーもいらないのよと言う彼女のしていることがどこの世界の国よりも独創的なこの国の弱い経済を支えている歯車のような気がしてならないのでそんなことしなくてもずっとおれが無料(ここはタダと読んでください)で相手してやるよと言いかけてふとおれも妄想に取り憑かれているだけでおれってそもそもそんな体力あったっけって自問自答してすぐに言葉を飲み込んだ代わりに9月(ここはセプテンバーと読んでください)になったらいつも思い出すグリーンデイの曲と911(もう四半世紀も経ったのか)の関係性の嘘みたいなものについて話している途中で気が散ってしまってまた牡蠣の美味しい季節がやって来たねとおれが言うと彼女はそんなに牡蠣が好きなら岩牡蠣ならバーのつかない真夏が食べごろなんじゃなかったっけとおれより詳しいことに少し驚いたのも楽しいひとときだみたいなことを思いつつやけにこの詩にはバーが多く出てくるからタイトルを今夜、すべてのバーでにしようかと思ったがらもさんに申し訳ないのでやめて結局日めくりカレンダーを見てまあこれで良いかと安易に決めたわけだけど意外と気に入っていたりして、みんな何かの不足を何かで満たしてるだけと言うこの世界のシンプルな構図に気づけたことは何より彼女の効用であったと今さらながら大変感謝しておると言うのを言葉にするかどうか逡巡しているのを悟ったのか彼女(と言っても妻ではない)は彼(と言っても旦那ではない)と以前した会話をおもむろに持ち出してきて初対面ながらポリアモリーについてどう思いますか?って質問してきたのであんなものはだいたいが不倫の隠れ蓑みたいなもんだよとおれ(50代不自由業)はとりあえずの浅い答えを与えておいた

