
憧れのヴェニス やっとこれたわ。 アメリカからひとり旅 寂しくなんかない 仕事に追われる日々 抜け出して ツバサがはえそうなバカンス 水のみやこ、ヴェニス。 街角のアンティークショップ 胸をこがすような まっかなヴェネチアングラス グラスにひとめぼれ。 あの広場で 出会ったひと 赤いグラスにうつった。 恋は突然やってくる、 恋はもうもく。 カナル・グランデに 落ちてしまうくらい。 デートのために 新しい洋服、 うさぎのついた 可愛すぎるサンダル。 クチナシの花を選ぶ私を 不思議そうに見つめるのね。 プロムでのクチナシの花が 買えなかった当時の私を あなたは知らない。 恋は突然やってくる クチナシの香りみたいに 突然まわりの空気まで変えるの。 クチナシの花、 川に流されてゆく。 遠く消えゆく白い花。 夜明けまで踊った。 恋の花火もあがった。 パーティーは終わるまえに 帰るほうがいいの。 バカンスは終わり。 汽車の窓から あなたをさがしてしまう。 走るあなたを見つけた。 あなたが手にしたクチナシの花。 手にすることは、かなわなかった。 それでいいの、 クチナシの白い花、 ずっと胸に咲いているから。 ずっと香っているから。


