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背面座標

V5.5

同じ部屋 同じ椅子 同じ空気層 同時刻 同心円 でも違う軌道 視線は交わらない仕様のまま 仕様に従う僕らのまま 背中越し 伝わる温度の差分 触れない距離で保つ均衡感 言わなくても成立する日常 成立するほど減ってく干渉 足音ひとつ タイミング微差 揃いそうで揃わないリズム誤差 合図はないけど理解はある 理解があるほど会話は減る 振り向けば崩れる気がしてる このバランス この均整 確かめるほど壊れるなら 確かめないままでいい 背中合わせのままでいい 近すぎないで 遠すぎない 交わらないこの角度で 僕らは保たれている 触れないままでいい 言葉にしないで 崩さない 同じ場所で別のまま それでもここにいる 窓の外 流れる雲の速度 同じ景色でも違う解像度 共有してるつもりの時間も 分解すれば別々の断層 机の上 置かれたカップ二つ 減る量さえも微妙にズレる 気づいてるけど指摘はしない 指摘した瞬間 意味が変わる 呼吸の周期 重ならない波形 干渉しないで続く関係 静けさだけがやけに具体的 言葉よりも雄弁な余白 一歩だけでもずらしたら 全部が変わる気がしてる だからこのまま この角度で 止めないまま止まってる 背中合わせのままでいい 近すぎないで 遠すぎない 交わらないこの角度で 僕らは保たれている 触れないままでいい 言葉にしないで 崩さない 同じ場所で別のまま それでもここにいる ねえ 今どこ見てる 同じはずのこの部屋で ねえ 今何思う 聞かないほうが続くから 境界線を引かないまま 引いてるみたいに保ってる 背中合わせのままでいい 振り向かないで 崩さない 揃わないこのままで 僕らは続いていく 触れないままでいい 重ならないで 消えないで 同じ場所で別のまま それだけで成立してる