
小さなサナギ ひび割れた壁 外の世界を 夢だけで見てた 誰にもまだ 名前もないまま じっと じっと 息をひそめてた いつか蝶になれるかな ぼろぼろの羽でもいいかな まっすぐ飛べなくたって 空は逃げていかない 傷を光に透かしながら 今日を越えていくだけ つまずくたびに 土をかぶって 「ここで終わり」と ひとりで決めてた それでも胸が ばらばらに鳴いて 「まだ」って「まだ」って 外をさしていた ほんとに蝶になれるかな 震える羽でも守れるかな 誰かの手のひらさえも こわくて逃げたけれど 迷いくちゃくちゃ抱きしめたら 少し軽くなってた 見上げた窓の 薄い青 割れたガラスの 向こう側 飛べない日々も もう一つの羽 そう気づいた朝 きっと蝶になっていくんだ まだ折れそうな羽のままで まっすぐじゃなくていいや 曲がりくねった線で 昨日の殻を置き去りにして 空へ滲んでいくだけ

