夜の帳 街灯に群れる蝶 誰かが落とした 季節が舞う 白は微笑み 黒は涙 金色だけは 風にもほどけない 指先をかすめて ひらひらり逃げる 名前も知らない 羽音を追った 掴んだ瞬間 流れ込む 見覚えのない 夏の匂い Fly away, memory 涙の理由だけ 私になった 白い羽根は 嘘をつかない 「幸せほど 風に散る」 黒い蝶だけ 避けて歩いた 知らない悲しみ 抱きたくなくて それでも風は 悪戯みたいに 一枚の羽を ふわり掌へ落とす 胸の奥まで 染み込む景色 誰かの痛みが 私の中で息をする 掴んだ瞬間 流れ込む 見覚えのない 笑い声 Fly away, memory 知らない昨日が 胸を叩く 白い羽根は 嘘をつかない その優しさだけが 本当だった もし金色を 見つけたなら その約束は 誰のもの? 忘れたはずの その名前が 夜風の中で 私を呼ぶ ああ そうか 私こそが その約束だった 掴んだ瞬間 繋がってく 見知らぬ命と 私の夜 Catch the light, catch the pain 最後の一羽は 私だった 誰かが忘れた あの日の色 誰かが明日 空を見上げたら その胸に そっと降りよう 忘れられた記憶じゃない 誰かを生かす 羽になる 夜明けの風に 金色の蝶が 一羽 誰の名前も残さず ふわふわり ひらひらり 静かに 空へ消えた


