
【Instrumental】 【Intro】 窓を開けたら風の中 少しだけ夏が残ってた 見えないはずの季節にも 匂いがあると知った朝 【Verse1】 乾いたタオルの石鹸と 日焼けした畳の匂い 冷蔵庫から取り出した 半分残ったサイダー ベランダ越しの遠い海 昨日より青が薄くなる 鳴き疲れてしまった蝉が 最後の歌を探してる 祭りのあとの道端に ちぎれた金魚の袋が揺れ 誰もいない公園では ブランコだけが夏を漕ぐ 【Pre-Chorus】 形のないものばかり どうして胸に残るんだろう 手を伸ばしてもつかめない だから忘れられないのかな 【Chorus】 夏の残り香 風に混じって カーテンの向こうへ逃げていく ラムネの甘さ 花火の煙 夕立のあとの濡れた土 夏の残り香 消えないように 深く息を吸い込んでみる けれど季節は留めるほど 少しずつ遠くなる 【Verse2】 空っぽの瓶に蓋をして 机の上へ置いてみた 何も入っていないはずなのに 部屋が少しだけ青くなる 朝顔の鉢を片づけて 短くなった影を踏む 使わなかった線香花火 引き出しの奥で眠ってる レモネードの酸っぱさと メロンソーダの緑色 クリームソーダの白い雲 全部少しずつ遠ざかる スピーカーから流れてた 題名も知らない夏の歌 途中で切れたメロディーを 風が代わりに歌ってる 【Pre-Chorus】 忘れてしまうことよりも 変わってしまうのが寂しくて 同じ匂いを探しては 違う季節を歩いてる 【Chorus】 夏の残り香 袖に染みて 洗ってもまだ消えないまま 海辺の自販機 錆びた手すり 冷たい瓶についた水滴 夏の残り香 追いかけても 角を曲がれば見失って 夕暮れだけが知っている 帰れない場所のありかを 空っぽの瓶を振ってみる 小さな音が鳴った気がした それはビー玉でも泡でもなく 遠い記憶の足音だった 【Bridge】 秋の風が吹いた夜 窓の外から聞こえてきた 季節外れの炭酸が どこかでひとつ弾ける音 もしかしたら夏はまだ 海の底に隠れていて 青いガラスの瓶の中 次の朝を待っている 消えたものはなくならず 見えない場所へ移るだけ 香りも光も波の音も 私の知らない空へ行く 【Last Chorus】 夏の残り香 風に混じって 新しい季節へ流れてく ラムネの瓶も 花火の灰も 夕立が残した水たまりも 夏の残り香 もう追わないよ 消えていくまま見送るよ 忘れることはなくすことじゃない 胸の奥へしまうこと 空っぽの瓶を窓辺に置けば 朝の光が透き通る 夏を閉じ込めることはできなくても 光なら残しておけるから 夏の残り香 遠くなっても ふいにどこかで蘇る レモンソーダの栓を抜く その一瞬の音の中 【Outro】 窓を閉じたら部屋の中 秋の静けさが満ちていた それでもカーテンの端だけが まだ青い海の匂い

