イヤフォンのコードがからまる 夜風がわたしをくすぐる 赤い信号とまるたび 思考もいっしょにとまってる 通りの光がながれて 誰かの笑いがにじむ 右の耳だけで世界をきいて 左の音は夢のなか ステレオエスケープ 半分だけの現実 ひとりぼっちのリズムが 夜の端ではねる アスファルトに映る影 モノクロームのモーション 交差点のざわめきが まるでメロディ 電車の音が左から すりぬけて消えた ステレオエスケープ 目を閉じても聞こえる すこしゆがんだリアルに 心がひらく ノイズの海にただよう 呼吸を吐くだけがのこる ステレオエスケープ 世界を裏返して 片方の音で生きてる それでもいいと思えた 信号の音がとけていく わたしは歩き出す 無音のまま