眠れない部屋の隅で 湯気の消えたマグカップ 言えなかった言葉たちが 窓にうすく曇ってた 笑わせたいくせに うまく笑えない夜 ほどけた糸を 指で結びなおして 小さな祈りを 胸の奥で鳴らす だいじょうぶって まだ言えなくても この息は ちゃんと明日へ続いてる 傷ついた場所に 風が通るたび 見えない歌のかたちが 少しずつ光る 泣いた夜も 声になって やわらかな明日を 連れてくる わたしはここで 息をつなぎ 光の途中を うたってる 日曜の朝 鍵盤の上に 淡いひかりが落ちてくる 名前のない痛みさえも 誰かをあたためるなら 立ち止まることは 負けじゃないと知った 遠回りの道に 花は咲いている 見上げた空の色を 心に混ぜながら ひとりきりで 抱えていた影も 呼びかける声に 少しほどけてゆく 見えない手にそっと 背を押されるたび わたしの弱さまでも 旋律になっていく 泣いた夜も 声になって やわらかな明日を 連れてくる わたしはここで 息をつなぎ 光の途中を うたってる きれいごとじゃ 越えられない日を いくつも抱いて ここまで来た それでも耳をすませば かすかな希望が わたしを呼ぶ 「休みながらでいい」 「そのままでいい」 ふるえる胸の中で まだ消えない灯りがある 泣いた夜も 声になって やわらかな明日を 連れてくる わたしはここで 息をつなぎ 光の途中を うたってる こぼれた願い 歌になって ささやかな今日を 照らしていく わたしはわたしを 抱きしめながら 光の途中を うたってる 窓辺に朝が にじむころ 名もない花が 揺れている まだ完成じゃなくていい この途中こそ わたしの詩


