タイトル:ふたりぼっち 作詞:to4kawa さん(@toshikawa さん) #リリックガチャ [Intro] 新しい街の 新しい窓辺 まだ開かない箱の上に 夕方の光が落ちている 彼女は少し笑って 母の番号を押した [Verse 1] 三回鳴って 懐かしい声がする 「ちゃんと着いたの」 母はいつもの調子で 最初にそれだけ聞いた 彼女は明るく うん、と答える 部屋はまだ散らかっていて カーテンの丈も少し長い 近くのスーパーでは 卵の場所を二人で探した そんな小さな話を 嬉しそうに並べていく 母は向こうで 何度も笑っている [Pre-Chorus] 「どう、暮らせそう?」 母が聞く 彼女は窓の外を見て 少し考えてから言う 「うん、たぶん すぐ好きになるよ」 [Chorus] 幸せだよ、と 彼女は言った 無理に明るく することもなく 優しい人だよ よく笑う人だよ 朝は眠そうに いってきますと言うよ 幸せだよ、と もう一度言った 今度は少し 照れながら 知らない街で 知らない暮らし だけど隣には 彼がいるから ひとりじゃないよ ふたりぼっちで 始めているよ [Verse 2] 母は向こうで 晩ごはんを聞いた 彼女は少し得意げに 献立を話し始める 昨日は味が濃すぎて 二人で水を飲んだこと 今朝は彼が 卵を落としたこと 笑いながら話す声が 少しずつ弾んでいく 窓の外では 知らない電車が走る その音にももう 名前をつけられそうだった 玄関には 二人分の靴 洗面台には 二人分の歯ブラシ それだけのことが 彼女には嬉しかった [Pre-Chorus] 「困ってないの」 母が聞く 彼女はすぐに 笑って答える 「困ってるよ でも、二人で困ってる」 [Chorus] 幸せだよ、と 彼女は言った 今度は少し 声を弾ませて 道を間違えて 遠回りもしたよ でもそのおかげで 小さなパン屋を見つけた 幸せだよ まだ慣れないけど この街のことを 一緒に覚えている 知らないものが 毎日ひとつずつ 二人のものに 変わっていくよ 母は向こうで そう、と笑った その一言が とてもあたたかかった [Bridge] 「ちゃんと食べてる?」 「食べてるよ」 「ちゃんと寝てる?」 「寝てるよ」 「けんかしてない?」 彼女は少しだけ 間を置いて笑う 「まだね」 その時 玄関の鍵が鳴った 彼が帰ってきて ただいま、と言った 彼女の顔が 自然にほどける 「今、帰ってきた」 母も笑って 「声で分かる」と言った 彼女は少し照れて 窓の外を見た [Final Chorus] 幸せだよ、と 彼女は言った 今度は彼にも 聞こえる声で 不安がないとは 言わないけれど それより嬉しいことが たくさんあるよ 母の家から 遠く離れて 知らない街の 小さな部屋で 彼のただいまを 聞く毎日を もう少しずつ 好きになっているよ ひとりだった私と ひとりだった彼が 同じ灯りの下で 名前を呼び合っている 世界から見れば 小さな二人 だけど二人には これが世界 [Outro] 電話を切って 彼女は振り向く 彼は買ってきたパンを 得意そうに見せる 彼女は笑って その袋を受け取る 知らない街の夜が 窓の外に広がっている 彼女は彼の隣に座る 今日あったことを また最初から話し始める ひとりぼっちを 二つ持ち寄って ふたりぼっちで 笑っている